株式会社とは?基本のしくみと社会での役割
この記事はURUスクールのアウトプットとしての内容です。
株式会社とは、株式を発行して資金を集める会社の形です。お金を出す人は「株主」と呼ばれ、会社の一部を所有する権利を持ちます。ただし実際の経営は、株主が選んだ「取締役(経営陣)」が担当します。
このように、出資(所有)と経営が分かれていることが、株式会社の大きな特徴です。トヨタやソニーなど、日本を代表する企業の多くが株式会社という形態を取っています。
株式会社の起源|世界で初めての株式会社とは?
株式会社のはじまりは、1602年のオランダまでさかのぼります。この年、世界初の株式会社とされる「東インド会社(VOC)」が設立されました。
当時、アジアとの貿易はリスクが高く、多額の資金を必要とする事業でした。1人の資産家が出資するのではなく、複数の市民から小口で資金を集めることで、大きな事業を可能にしたのです。これが、株式会社の原点です。
株主には配当金という形で利益が還元され、出資額の範囲内でしか責任を負わない(有限責任)というルールも、この頃から確立されました。
日本での株式会社の始まり
日本に株式会社制度が導入されたのは明治時代です。西洋の制度を取り入れ、近代国家を目指す中で、銀行や鉄道会社などの分野で株式会社が登場しました。
最初期の例としては、1873年に設立された「第一国立銀行(現・みずほ銀行)」が挙げられます。当時からすでに、国民から資金を集め、民間の力で経済を動かすという発想が根付いていました。
株式会社のしくみを図で解説
以下のように、株式会社にはいくつかの重要な登場人物がいます。
- 株主:お金を出して会社の一部を所有
- 取締役(経営者):株主に選ばれて経営を担当
- 会社:事業を行い、利益を上げる
会社の利益は、株主への配当や、会社の将来の投資に使われます。
このように、株式会社は多くの人の資金で社会を動かす仕組みとして、現代経済に不可欠な存在となっています。
株式会社のメリットと注意点
メリット:
- 多くの人から資金を集めやすい
- 株式の売買で資金の流動性が高まる
- 事業がうまくいけば株主にも利益が還元される
デメリット:
- 株主と経営者の対立が起こる可能性
- 情報公開の義務が重く、事務作業も多い
- 利益優先の経営になると、社会的責任が軽視されがち
今後の株式会社に求められるもの
近年では「利益だけを追う会社は古い」という考えが広がりつつあります。環境や人権、地域との共生などを重視するESG経営やステークホルダー資本主義が注目されています。
これからの株式会社は、株主だけでなく、社員・顧客・地域社会との関係性を大切にしながら、持続可能な成長を目指す必要があります。
まとめ|株式会社の歴史を知ると社会が見える
株式会社は、400年以上前にリスクの大きな貿易を成功させるために生まれた仕組みです。その後、世界に広がり、日本でも社会や経済を支える大きな柱となりました。
私たちが日々利用しているサービスや製品の多くも、株式会社という仕組みの上に成り立っています。その成り立ちや役割を知ることは、社会の構造を理解する一歩になるはずです。


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